プロが教えることの重要さ

投稿日: カテゴリー: 日記

私はプログラミングを約40年近く経験してきました。 そして実務経験は約30年です。

所属した会社は、小さなソフトハウスから大手ソフトハウス、世界的大手のコンピュータメーカーにも出向したり、そこから日本国内でも大手の会社のシステム部の中で運用経験をしたりと、多くの経験をしてきました。

そして今まで数多くの部下や他の会社のプログラミング技術者と一緒に様々な仕事をこなしてきました。

そこでここ10年ほどで気づいたことがあります。

それは、プログラミングの知識が正しく身についていない若い人が増えている事です。

昔のプログラミング現場は、もっと機器も高価でなかなか使わせてもらえなかったり、使うときも1回だけとかチャンスは2回だけということも普通でした。 その結果、十分に計画した上で使いますし、うまく行かなければ原因を追求し、反省し、次回に活かすようにしていました。

しかし、各家庭にもパソコンやパッド、インターネット環境がある時代になり、最近の家電でも詳しい取扱説明書は付属しなくなってきて、そういうものが直感的に使える若い世代の人達が重宝がられる時代を生きてきたこともあり「ダメならやりなおせばいい」という考え方が普通になってきました。 そして、なんとなく「自分はコンピュータやITに詳しいんだ」と錯覚してこの業界に入ってきている人が多いのです。

時代的にもIT技術者は何万人不足するというようなニュースもよく目にします。こういうニュースだけをとってみると、この先も需要がある!という錯覚に陥るかもしれませんが、実質的に仕事が無くて貧困生活をしているIT技術者も多いのです。

これはどういうことかというと、「仕事が出来るIT技術者が不足している」現状にあります。

実際に人を使って仕事をする現場において、「自分は出来る!という錯覚を持った仕事の出来ない人」は不要なのです。

では仕事の出来ない人達はどうするのか?ということですが、短期間の作業的な仕事であちこちに派遣されたり、単純なテスト作業を延々と続けさせられるような精神的にも肉体的にもかなりキツイ仕事を紹介されることが多いのです。

どうせなるなら、誰でもできる単純作業をお金に換えるような労働ではなく、クリエイティブでお客様から感謝されるような仕事をしたいですよね。

 

話を戻しますが、私は最近、同じような子供向けのプログラミング教室があちこちに開校していることに危機感を覚えます。

それは実務を知らない人が、マニュアルや教科書を通して説明しているだけの教室が多いからです。

どのご家庭も、お金と時間が余っていて暇つぶしにプログラミングでも学んでおこうかという状況ではないはずです。

簡単に実力がつくような言い方をされている教室や、専門ではない教室が「ついでではじめたプログラミング教室」は要注意かと思います。

 

まずここだけはご理解頂きたいのですが

プログラミングは目的ではありません。 問題解決や目標を達成する為の手段なのです。

だから手段だけ技術的に教えてくれる教室でもダメなのです。

達成したい目的や解決したい問題に気づき、何をしたら良いかを自ら考え、理解し、それを達成させるための手段にプログラミングが必要であればその手段をとること。 これが大事なのです。

 

なんでもかんでもプログラミングに結びつけることも、融通のきかないITオタクになってしまいがち。

教える人の教え方ひとつで、プログラミングがこの先の「幸せの道具」にも「不幸の知識」にもなる可能性があるのです。

 

似たような沢山の教室があります。 お時間が忙しいかと思いますが、ご自分で教室の先生とお話をし、ご自身の目で確かめてから通われることをおすすめします。