小・中学生のための国際ロボット競技会 URC2018 に参加しました。
今年の開催概要は、『ロボット競技部門』では『スマート農業』です。
種まきや収穫を自動で行うロボットの開発となります。
コースは3つ
小学生のレギュラー部門
中学生のレギュラー部門
小・中学生混合アドバンス部門 です。
当教室からは1チームがアドバンス部門にエントリーしました。
このアドバンスコースは、スイッチを入れたら最後、熟したリンゴを収穫し、倉庫に置いて最初の位置に帰ってきて停止するまでを全自動で行うものです。
収穫するアームの仕組み、収穫したものを倉庫に置く仕組み、自動走行でコースを外れないようにする仕組み等のいろいろな仕組みが必要になります。 大変難しい内容ですが、この内容であれば教室に入会して8、9ヶ月目になれば実現できる内容となります。 当チームはこの時10ヶ月目でしたので、不可能ではない!という意気込みでエントリーしました。
近畿大会はATCにて行われ、とても多くのチームが出場ていました。 この中で上位2位までは決勝大会にすすめます。
各チームのロボットもそれぞれですね! 同じ課題なのにアイデアは無限です!
近畿大会の本番では、当チームも順調に課題をこなしていきます・・・
そして、なんと!当教室のチームは準優勝!
そして、決勝大会への切符を手にしました!
決勝は、9月8日(土)大阪大学 吹田キャンパスのコンベンションセンターでおこなわれました。
会場も広く、なんだか講師の私のほうがドキドキします・・・
決勝は、海外3カ国+国内8箇所のチームが参加して、日本語と英語での司会進行です。
実は、決勝大会ではスペシャルミッションというものがあり、当日に内容が発表になります。
生徒には、スペシャルミッションも大事だが、まずは今までやってきたことを確実にこなそうね。と、普段から大切にしている話を再確認させ、練習会場へパソコンやロボットをもっていく姿を見送ります。
そして第1走目がいよいよです!
2走目までの間の10分で、調整しています
チームで協力し合う姿
本番は2回挑戦できるのですが、走行結果は、1回目は倉庫手前でリタイア。 2回目もゴールはできなかったという厳しい状況でした。
しかし、一部の完璧なチームを除き、他のチームも本番のコースでの調整が難しく、次々とリタイア。
練習で何度も調整し、ほぼ完璧にコースを回れるように調整しても、会場の光の違いで、本来ならちゃんと動くものがなかなか動かないものです。
特に本番の会場では、ライトの光源が沢山あり、影ができないようになっています。 この違いが微妙だったのだと思います。 それだけ自動走行で収穫をするということの難しさを子供たちは身をもって体験できたと思います。
2走行目が終わった後の、悔しさと落ち込みようは、会場の遠くから離れていてもよく分かるほどでした。 それだけ、この大会に対する思いが強かったのだと思います。
そして閉会式の結果発表。
もう入賞どころか、最下位かもしれないと思っていたところ・・・
表彰式で、「3位は 辻キッズ」というアナウンス!!!
「えー!?」と私もびっくり!!
見事3位入賞しました!
銅メダルやアーテックブロックの賞品を受け取っている姿がとても誇らしいです。
本当におめでとう!!!
最後に私の感想を書かせていただきます。
今回は見事に全国大会で3位に入賞できました。 しかし、実際のところは全国大会に出れただけでもすごいことだと思います。 面白いのは、当チームはごく普通のお子さんでも1年も教室に通わずに入賞できたということです。 コンピュータの世界はアイデアと信念が大事です。 パソコンがすごいとか、工作が得意だとかではなく、自分なりのアイデアを形にし、最後まで諦めない気持ちがあるお子さんであれば、講師がそのスイッチとなるきっかけを与えてあげることで必ず開花すると思っています。
今回は夏休みに何度も時間をかけて練習を積み重ねました。 あっという間に時間が経過していつも驚く程集中していました。 チームでアイデアを出し、自分の得意な分野に専念しましたが、それを組み合わせた時の調整も、相手の意見を尊重しながら協調していけたことで、本番の過酷な調整の中でも、チームが1つになっていました。 とても素晴らしいチームだったと思います。
また、優勝チームは本当に素晴らしく完璧なロボットでしたし、入賞しなかった方たちも、驚くような動作で感動しそうになる仕組みのロボットもありました。 面白いのは、同じ課題を出されても、皆がそれぞれの思いや方法で様々なものを作り込んでくることですね。
自己満足だけではなく、他のロボットから得るものも沢山あります。入会説明会の時にいつもお話しをさせていただきますが、この世界は「これが正しい!」ということはありません。 だから、自分が思ったものを作り込めば良いのです。 ただし、自己満足ではなく、他の人のやり方の方が良いと思えば、それを観察し、自分のものにすればよいのです。 そういう意味では貪欲でなければなりません。
次に協調性です。 一般に”できる子”というのは自分の意見が正しいと思う子も多いものです。今回のようなロボット制作については、最後まで一人でもできないことはありませんが、やはりいろいろな問題に突き当たった時には相談する仲間が必要になります。 頼られることだけでなく、頼ることも覚えることも大事です。 そうやってできたチームの絆は子供にとってはかけがえのないものになり、お互いに成長もできると思います。
たかがロボットプログラミングの教室ですが、これからの時代は、必ずIT、AI、ロボットが主流になります。 最近は2020年のプログラミング必修化という言葉ばかり目立ってしまい、ビジネスとしてロボットプログラミングが広まってきているような気もします。 ただ教材をこなすだけでなく、その先にあるものが見えている講師がいることや、お子さん一人一人の潜在能力を引き出すことができる講師がいるかを必ずチェックして欲しいものです。
私はこう思います。 ロボットはこうあるべきだとか、こうしなくてはならないではなく、自分たちがそこへ込めた気持ちを形にし、実際に動きを観察し、人の意見も参考にし、それをもとに改造して作ったロボットにはとても愛着があるものです。 ただ教室を開くだけではなく、子供たちにこういうことを少しずつでも経験してもらい、いつかどこかで「あー、あのときにやっててよかったな」と思ってくれることがあればいいなと思います。